産地:日本/山梨県
ぶどう品種:メルロー100%
甲州市塩山の自社畑で栽培した凝縮感のあるメルローを完熟を待って収穫。丁寧な選果の上、醸造しました。収獲予定日に台風が接近し2〜3日前倒しで収獲を行いました。
自社畑のメルローをステンレスタンクで11日間醸し発酵(前半ルモンタージュ、後半にピジャージュ)後にプレスし木樽で12ヶ月熟成しました。
華やかで複雑な香りと、重厚でありながら繊細な口当たりの自信作です。
【生産者情報】
まずこの名前からしても、歴史を感じさせる「甲斐ワイナリー」。
栽培と醸造を任されている風間聡一郎さんは、武田信玄に仕えるために山梨に移住したとされる、風間家のなんと16代目。江戸時代に酒造業を創業し、1986年に聡一郎さんの祖父がワイン造りを始めました。東京農大を卒業後にブルゴーニュで醸造を学び、東京のワインショップに3年ほど勤務したのちに実家へ戻り、気が遠くなるほどの歴史が息づく、このワイナリーでの仕事を始めたのは2005年でした。
甲斐ワイナリーで造られるワインは約3万本。畑は1.7haほどを所有していて、自社ブドウと地元の農家から購入するブドウ(ほとんど甲州)の割合は1:3ほどです。
基本となるワインはやはり甲州種の白ですが、繊細かつ伸びやかでふくよかな酸味と果実味に、際だつミネラル感が特徴。ワインが持つ旨味は、和食に幅広くよく合い、飲み疲れすることなくスイスイ飲めてしまいます。
メルローの赤ワインは、決して派手ではない豊かな香りと、ほどよい果実味、ほどよい渋み、そして心地よいスパイシー感があって、しっかりとメルローらしい個性を感じますが、なめらかでバランスの良いワインです。
どれも輪郭のくっきりとした、クリアーでシャープワインなのに、何かしらユルさとナチュラル感があって、とても親しみを感じます。実は聡一郎さんは、息子さんを交えたSNSの投稿が大人気で、難しい話し抜きのユーモアあふれるコメントとともに、畑と醸造所の1年を誰もが分かりやすく伝えてくれていて、それが甲斐ワイナリーに対しての親近感に繋がっているように思います。
ワインの中にも、そんな暖かさが感じられるんですよね。
ワイナリーの歴史を背負うプレッシャーは必ずあると思います。特に現在は日本ワインブームによって、醸造所の数が目まぐるしく増加し、注目されるワイナリーとそうでないワイナリーがはっきりと分かれています。昔のまま変わることのできないワイナリーは、すたれてしまう厳しい状況の中で、今までの顧客を大事にしながら、新しいファンを増やしていかなければならないというのが、新規ワイナリーとはまた違った苦労があるように思います。
何を継承し、何を創造するのか。
飄々と、しかも着実に実力と人気を自分のものにしている聡一郎さんに、今後の期待が膨らみます。