生産者:プリンツ
産地:ドイツ/ラインガウ
品種:リースリング
土壌は白亜紀後期のチューロニアンの粘土石灰質、仕立てはギヨー サンプルです。収穫量は、50hL/haです。100%除梗します。60〜70%をステンレスタンク、30〜40%を600Lの樽(新樽でない)で、18〜20度に温度管理の下ゆっくりと30日間かけて発酵、そのまま綺麗な澱と共に4ヶ月熟成させます。フレッシュな酸を保つためマロラクティック発酵はさせません。瓶詰め前にブレンドします。白い花の香り、グレープフルーツを思わせるフレッシュな果実味と心地よい樽の風味がバランスよく混ざり合い、奥行きと複雑さも感じられます。
【生産者情報】
クロスター エーバーバッハのケラーマイスターを務め、その名声を復活させた男。
ハルガルテン村の自らのワイナリーで醸す極上のワイン。
<フレート プリンツという名の生ける伝説>
1970年生まれのフレート プリンツは、1991年に趣味でワイン造りを始めてからわずか数年の間に、ラインガウのワイン造りに重要な変革をもたらした人物として知られるようになりました。1995年、シュタインベルガーで名を馳せたクロスター エーバーバッハ醸造所での勤務を開始すると、かつての名声を失いつつあった、当時のワインのスタイルを変更するよう助言しました。ワインに甘みを残すためにズースレゼルヴ(発酵前のブドウ果汁)を加える手法ではなく、シュタインベルガーが持つ特別な土壌の個性、ミネラル感を最大限に引き出す努力を行ったのです。この功績が認められたフレートは、2002年にケラーマイスター(醸造責任者)に就任したものの、2004年9月に醸造所を退社。その理由は、ハルガルテン村にある自身のワイナリーに専念するためでした。
<ハルガルテン村で生み出される極上のワイン>
フレートは、その才能を自身のワイナリーでも発揮します。独立して間もない2005年1月には、厳しい認定条件を持つVDP(ドイツ優良ワイン生産者協会)への加入が認められ、同年より、クロスター エーバーバッハのオークションでも彼のワインが競売にかけられるようになりました。ドイツの著名なワインガイドのひとつ、『アイヒェルマン 2019』では4星を獲得し、同年の『ヴィヌム』で3.5星、『ゴーミヨ』で3房を獲得。フレートが造る珠玉のワインは、生産される前に予約で埋まってしまうほどです。しかしフレートは、「私は”ワインメーカー”ではない」と言います。「品質が最高値なのは収穫直前だ。収穫した葡萄に、ワインメーカーが手を加えれば加えるほどワインの品質は落ちる。つまり、畑仕事が何より大切ということだ」。
2009年からオーガニック農法を選択し、2018年には公式にビオディナミを開始。有機栽培は「マーケティングのためではなく、品質向上のため」だと強調します。当初5haだった畑は、現在9haまで拡大しましたが、ワイン造りの哲学は変わっていません。私たちが2004年に彼の元を訪問した時、「ハルガルテンのために良いことをしていきたい。それが嬉しいし、夢だった。だから中途半端なことはしたくない」と熱く語ってくれましたが、その想いは今もなおワインの中に確かめることが出来ます。2017年の「ジェームズ サックリング.com」によるレポートでは、ラインガウの400本近いワインを試飲した中で、唯一100点を献上されたのがプリンツの「ユングファー リースリング アウスレーゼ ゴルトカプセル 2015」でした。また、「ヘンデルベルク シュペートブルグンダー レゼルヴ トロッケン 2012」が97点を獲得。同記事では、「フレート プリンツが、我々のレポートの中で最高評価の甘口ワインと赤ワインを生産したという事実は、ラインガウの最近の発展について多くのことを述べている」と紹介されています。彼が造り出すワインは、かつて勤務した州営ラインガウ醸造所のワインの質を明らかに上回り、多くのドイツワインファンを驚かせることは間違いありません。しかしながら残念なのは、あまりに量が少ないことです。